
「なるほど!」が生徒を変える ― 教室長として大切にしていること
2025.06.12
私はこれまで10年以上、個別指導塾で多くの小中高生と向き合ってきました。
その中で、常に大切にしてきたのが「生徒の“なるほど!”という気づき」を引き出すことです。
以前、数学の展開をいつも間違えてしまう中3の男の子がいました。
彼は「なんとなく解いてるけど当たらない」と言って、自信を失いかけていました。
ある日、「前2乗、かけて2倍、後ろ2乗の呪文でやるんだよ」と伝え、一緒に問題を読んでみたところ、彼が
「……あ、そういうことか!めっちゃ簡単じゃん!」
と気づいた瞬間がありました。
その日以来、50分集中できなかった彼が、一心不乱に解きまくっていました。
「数学の展開だけは学年1位の人にスピード正答率ともに勝って、学校で展開の王と呼ばれている。友達にも教えている。」
と教えてくれ、自信が芽生えたようでした。
勉強が苦手な子でも、「あっ、そういうことか!」と自分の中でつながる瞬間があります。
この“なるほど”が出たとき、生徒の目が変わるんです。
受け身だった子が、急に前のめりになり、次の問題に自分から取り組み始める。
知識をただ詰め込むよりも、自分の中で理解できた経験は、その後の勉強の姿勢や習慣に大きな影響を与えます。
だからこそ私は、ただ正解を教えるのではなく、「どうしてこうなるのか」「なぜその答えになるのか」
を一緒に考える授業を心がけています。
その時間は遠回りに見えるかもしれませんが、実はそれこそが一番の近道だと信じています。
一つひとつの“なるほど”が、生徒の自信につながり、「もっと知りたい」という学びの好循環を生むのです。
これからもその瞬間を大切に、生徒一人ひとりと向き合っていきたいと思います。