勉強の息抜きに「月」を見上げてみませんか?
2022.09.06
「実る」と「満ちる」
季節の変わり目、風邪などひいてはいないでしょうか?
この季節、夜になると虫の音(ね)が聞こえてきます。
「虫の音(ね)」が聞こえている(認識している)のは日本人とポリネシア人だけだというのは聞いたことがありますか?
これは脳の違いからくるそうで、虫の音(ね)を日本人は言語脳で、
日本人ポリネシア人以外は音楽脳で認識しているということが最近の研究でわかったそうです。
そう言えば、童謡「虫のこえ」でもチンチロリンなど”言葉”で表していますよね。
梅雨は雨の音、夏は蝉の音など、季節を音で感じるのは日本人らしい感性です。
たまには勉強を止めて、ふと季節を感じてみるのもいいですね!
さて、今週9月10日は「中秋の名月」です。
一年のうちで最も美しいと言われる月で、昔から「お月見」をして“秋の十五夜”を楽しみます。
中秋とは秋の中頃。旧暦の秋(7月から9月)の真ん中なので中秋。
十五夜のお月見が一般に広まったのは江戸時代と言われます。
冷夏や災害による飢饉もたびたび起こった時代でした。
今、食べ物に困ることが少なくなったのも、そうした日々を教訓に研究が重ねられてきたからこそ。
現在、世界的な食糧危機について警鐘が鳴らされてもいます。
今こそあらためて自然がもたらす恵みに感謝すべきなのかもしれません。
また、「十三夜」というものもあります。今年は10月8日の夜で、十五夜と同じく毎年変わります。
この頃に収穫期を迎える栗や豆が供えられることから「栗名月」「豆名月」などと呼ばれることもあります。
古くは十五夜だけを祝うことを「片月見」と呼び、十三夜と両方を祝ってこそパーフェクトとされていました。
そしてお月見のお供え物といえば、思い浮かべるのは「月見団子」。
月が満ちた姿を表した丸い団子には五穀豊穣の祈りや感謝が込められ、
供えた後の団子を食べることで健康と幸福を得られると考えられています。
十五夜が出てくるお話として『竹取物語』があります。
『竹取物語』は、地球でさまざまな価値観を知り、育てた翁や求婚した帝には心を尽くして去っていく。
そして月の都から迎えの者が来るクライマックスが十五夜です。
十五夜がクライマックスをして選ばれたのも、「実る」という意味合いが込められているのかもしれません。
受験生は努力が「実る」。
みんなの頑張りに十五夜が後押ししてくれるよう願います。
さらに満月は物事が「満ちる」タイミングでもあります。コツコツと努力を積み重ねてきたことが、結果や実感となって現れる。
そういう時期だけに良いイメージもありますが、物事は満ちた段階で「終わり」ではありません。
場合によっては「ベストなやり方ではなかったことが、結果としてわかる」こともあります。
だからこそ「振り返りと調整」をすると良い日、とされています。
何が満ちて、何が足りなかったのかを振り返り、より良い未来にしていくことが大事です。
満月は浄化の日、そして今まで起きた出来事や自分のおこないを振り返える日とも言われていますので、
日頃の疲れを癒したり、ここ最近の自分を振り返ってみてはいかがでしょうか。
「月」といえば…
早いもので今年も残り4ヶ月弱ですね。
受験生には時間がありません!!
秋といえば“実りの秋”!
夏から冬につなぐにこの期間。
夏よりも燃える秋にしたいですね!
※月は理科で、竹取物語は国語で扱いますよ。季節は勉強とも結びついていますね。