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渡辺剛之
代表からのメッセージ
初めまして、代表の渡辺剛之と申します。
私は、26歳の時「仕事の選び方・人生の選び方」という本に出会い、何のために誰のために生きているのかを本気で考えてきました。
その後、様々な経験を通じて「自分の子どもを通わせたいと思える塾を作る」と決意し、ヒーローズ北赤羽校を開校しました。
塾概要


個別指導学院ヒーローズ
北赤羽校
東京都北区浮間3-1-40-201
TEL:03-5916-7166

【小学校】
浮間小・西浮間小・袋小・立教小・星美学園小

【中学校】
浮間中・桐ヶ丘中・志村2中・志村3中・志村4中・志村5中・九段中・立教新座中・開智中学・小石川中

【高校】
高島高校・立教新座高校・文京高校・芝浦工業高校・小石川高校・大東文化第一高校・北園高校・帝京高校・足立新田高校・駒場高校・板橋高校

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令和4年度から高校の学習指導要領が改訂され、新設の必修科目「情報Ⅰ」でプログラミングなどの情報技術に関する学習が始まりました。

令和4年度から高校の学習指導要領が改訂され、新設の必修科目「情報Ⅰ」でプログラミングなどの情報技術に関する学習が始まった。これに伴い、来年度の東大入試からは1次試験の大学入学共通テストで「情報Ⅰ」の受験が必須になる。一方、昨年は「ChatGPT」などの生成AIが普及し、大学での学習や授業での利用について議論もなされた。大学生の情報教育を取り巻く環境が大きく変化している今、東大の情報教育はどのように変化するだろうか。東大の情報教育の推進に携わる情報システム本部学術専門職員の竹内朗氏と生成AI関連の業務に携わる太田邦史理事・副学長(教育・情報担当)に、東大の情報教育の現状と展望について話を聞いた。(取材・岡部義文)

 

高校新課程「情報Ⅰ」進んだ内容が数多く

 

令和4年度から施行された高校の学習指導要領では、情報関係の科目に変更が加えられ、旧課程の「社会と情報」・「情報の科学」が「情報Ⅰ」・「情報Ⅱ」に変更された。このうち「情報Ⅰ」は、旧課程の2科目の内容を合せて発展させたもので、文系・理系問わず必修となっている。情報化社会における情報モラルや情報通信ネットワークに焦点を当てた「社会と情報」や情報技術を利用した問題解決などを扱う「情報の科学」の内容に加え、プログラミングや情報セキュリティ、データベースに関する学習活動が充実化された。文科省は、「『情報の科学的な理解』に裏打ちされた情報活用能力」「情報と情報技術を問題の発見・解決に活用するための科学的な考え方等」を育むための改訂としている。

 

「情報Ⅰ」の学習内容は「情報社会の問題解決」・「コミュニケーションと情報デザイン」・「コンピュータとプログラミング」・「情報通信ネットワークとデータの活用」の4分野で、情報技術を生かしたコンテンツ制作やデータの分析手法など、旧課程で必修ではなかった内容も含む。特にプログラミングに関する内容では、分岐や反復を含むアルゴリズムを、実際のコードを用いて学習。単にプログラミングの仕組みを学ぶだけではなく、問題解決のために実際にプログラミングを活用する内容となっている。

 

一方、現在東大の前期課程で開講される文科・理科共通の必修科目「情報」で扱う内容は、「情報Ⅰ」と同程度の内容なのが現状。東大のシラバスによると、教科「情報」の目的は「『利用・活用』の方法を習うことではない」としている。高校の旧課程での学習内容を基に、情報技術に関する基本的な知識や社会との関連を幅広く学習する内容だ。全講義共通で用いるテキスト『情報 第2版』(東京大学出版会)にはプログラミングに関する内容も掲載されるが、授業で必ず扱う内容には指定されていない(表)。実際に「情報」を受講した学生からは「聞いたことのある内容が多く、新規性に乏しい(文科・2023年度入学)」「アルゴリズムやコンピュータの計算の理論を先に扱うべき(文科・2023年度入学)」など、内容面に関して批判的な評価も聞かれる。

 

高校情報科「情報Ⅰ」と東大前期課程基礎科目「情報」プログラミングに関する内容の比較。大学の授業で扱う内容は、教員によって一部変わる場合がある。(文科省『高等学校情報科「情報Ⅰ」教員研修用教材(本編)』と『情報 第2版』(東京大学出版会)より東京大学新聞社が作成)
高校情報科「情報Ⅰ」と東大前期課程基礎科目「情報」プログラミングに関する内容の比較。大学の授業で扱う内容は、教員によって一部変わる場合がある。(文科省『高等学校情報科「情報Ⅰ」教員研修用教材(本編)』と『情報 第2版』(東京大学出版会)より東京大学新聞社が作成)

 

生成AIチャットサービス提供の現在「積極的なフィードバックを」

 

情報教育を取り巻く環境に大きな変化をもたらしているのが、生成AIの普及だ。2022年にリリースされた「ChatGPT」などが広まると、学習や授業での生成AIの利用について東大も声明を発表。昨年4月には太田邦史理事・副学長がオンライン授業・Web会議ポータルサイト「utelecon」で生成AIの特性や活用方法について情報を発信。さらに昨年5月には授業での生成AIの利用について言及し、「授業での生成AIの利用は一律に禁止しない」という方針を打ち出した。生成AIが誤情報を発信するリスクや、生成物の知的財産権などの法的リスクといった生成AIの欠点や懸念点に触れ、生成AI系ツールの活用の可能性を積極的に探るとした。その後も授業での生成AI活用について教員向けのセッションを開催するなど、生成AI利用の理解を広める活動を進めている。

 

昨年10月20日に、東大情報システム本部は教員・学生向けに生成AIチャットサービス「Chatbot UI」の提供を実験的に開始するとした。これはOpenAI社のAPIをウェブ上のチャット画面で利用できるもので、同社の生成AI「GPT-3.5」・「GPT-4」モデルのチャット機能が無料で利用できる。このサービスの意義と利用状況について、東大情報システム本部でサービスの運営にあたる竹内氏に話を聞いた。

 

竹内氏によれば東大は6月頃業務改革の一環として生成AI利用環境整備に関する取り組みを開始。少人数用のサーバーを構築し生成AIの利用サービスを試験的に実施した。太田理事・副学長の指示の下、学生の生成AIの利用環境整備のため、全学的にシステムを拡大。利用者は24年2月現在3500人を超え、また増加傾向にあると言う。Chatbot UIのサービスはOpenAI社の仕様により1カ月当たりに利用できるトークン(生成AIが用いる文の長さの単位)の数が制限されており、使用した量に応じ上限も上昇する仕様となっている。提供開始当初は提供可能人数が少なく申請受付を一時停止したが、現在はある程度解消している。

 

Chatbot UI自体はオープンソースとして提供されるものを使用しているが、サーバの構築・管理は全て東大が行っている。そのためサーバのバージョンアップなども東大が続けていく必要があり、現在の提供形態は必ずしも最適解ではないと竹内氏は話す。解決策として、東大が現在常勤の教職員向けに提供しているMicrosoft社のAIチャットサービス「Microsoft Copilot」の利用を学生向けに拡大するなどの選択肢が挙げられると言う。外部事業者のサービスを契約・導入することで、運用にかかる人的・金銭的リソースのバランスを上手く取ることが求められる。また現在、Chatbot UIで利用できる機能は生成AIとのチャット機能に留まり、ユーザーの入力内容に応じてAIが関数を使用して返信する「Function calling」などの機能は利用できない。生成AIの機能は日々進歩しているため、学習や研究のために求められる機能を把握しながら提供するサービス内容を刷新することも重要と竹内氏は話す。

 

「学生が学ぶ環境を整備することが大学のやるべきこと」と竹内氏。東大情報システム本部は過去にもオンライン授業・オンラインコミュニケーションの為の環境整備などに取り組んできたが、生成AIはその延長と話す。生成AIを積極的に活用して授業したいという教員のニーズがある中で、有料の生成AIサービスを全学的に提供することは、学生が金銭的負担を気にせず学べるという点で大きな意義があると話す。

 

一方で、サービスの提供による反響や利用者からのフィードバックはあまり得られておらず、サービス提供の効果は不透明とも竹内氏は話す。今後の課題は利用者からのフィードバックを得ることだと言う。サービスを利用者がどのように活用しているのかは未だ不透明な状況だ。UTokyo-Slack内のワークスペース「UTokyo ARC」でサービスに関する情報発信を行っているが、利用者からのフィードバックは少ないのが現状。今後のサービスの内容や方向性を検討するためにも、利用者には、利用内容や生成 AIを用いて得られた成果物について積極的なフィードバックを呼びかけていきたいと話
す。

 

高校や大学の前期課程で学習する学生には、「自分の力を伸ばすための利用を」と竹内氏は呼びかける。学習の上では、生成AIに答えを求めるだけではなく、生成AIに質問し返答を得るプロセスが重要だと言う。生成AIから良い解答を引き出す質問の仕方など、生成AIの「使い方」のノウハウは完全に確立されておらず、今後も変わることが予想される。単に生成AIを「便利ツール」として利用するのではなく、学びの成果を発揮するために、使用を通して自身の理解を深めることを意識してほしいと話した。

 

竹内 朗(たけうち・あきら)東大情報システム本部学術専門職員 東大工学部卒業。学士(工学)。在学中の20年よりuteleconの学生サポーターとして活動し、22年東大情報システム本部技術補佐員を経て23年より現職。
竹内朗(たけうち・あきら)東大情報システム本部学術専門職員 東大工学部卒業。学士(工学)。在学中の20年よりuteleconの学生サポーターとして活動し、22年東大情報システム本部技術補佐員を経て23年より現職。

 

太田邦史理事・副学長に聞く これからの情報教育の姿

 

生成AIや高校の新課程によって、変化が目まぐるしい情報教育。東大では、どのような教育が必要か。また東大に通う、あるいは進学を目指す学生が持つべき姿勢とは。情報教育を担当する太田邦史理事・副学長(教育・情報担当)に話を聞いた。

 

━━東大の前期課程の情報関連の講義内容に、変化は必要だと感じますか

 

共通テストで情報Ⅰを試験科目にするにあたって授業内容についても検討していると期待しています。高校で学習する内容に合わせアップデートが必要です。

 

━━これからの情報教育で、特に力を入れるべき分野は

 

生成AIが出てきたことは大きいと思います。使い方を誤ると悪用やねつ造につながるため、著作権や個人情報との関係などを理解するリテラシーが重要です。勉強や研究で具体的にどのように使いこなすかについても学習する必要があるでしょう。東大生として、生成AIのリテラシーだけではなく原理を理解し、それに基づく特徴を議論することも重要です。また実際に使ってみることで、生成AIの良い面・悪い面を実体験として知っておくことも大切だと思います。情報の授業で全てカバーできるかは未知数ですが、初年次ゼミナール(ゼミ形式で行われる1Sセメスターの必修科目)などもリテラシー向上の機会になるでしょう。たとえば「GPT-3.5」と「GPT-4」とではハルシネーション(生成AIが事実に基づかない情報や実際には存在しない情報を生成する現象)にどの程度違いがあるかなどは、実体験として知っておくことが大切です。

 

━━これからの東大情報教育に必要なことは何ですか

 

情報の分野は日進月歩で変わっているので、常に刷新する体制であることが大切です。ハードウェアとの連携も重要でしょう。生成AIもロボットや機械と連携させていく方向に展開しつつあるので、技術を実装する部分についての学習も、より早い段階で進めても良いのではないかと思います。資源的問題により困難ですが、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)なども重要な分野です。現在Apple Vision Pro(VRやARなどの技術を利用したゴーグル型のデバイス)が発表されて米国で話題になっていますが、こうした技術が今後教育に相当に食い込んで様々な変化をもたらすと思います。「UTokyo Compass」行動計画の指標にもVRやARの活用を入れています。東京大学工学部のバーチャルリアリティ教育研究センターは、メタバースの技術を使った授業を展開しています。またこうした技術を用いて深海や細胞など、簡単に見られないところを体験できると、面白い授業になると思います。次の世代はそうしたことを前提にして大学の授業を考えるべきだと思います。

 

━━そうした技術を取り入れる上で、困難な点は

 

設備導入に多額の資金がかかっています。UTokyo Wi-Fi やOffice365のライセンス契約などの費用は円安の影響もあってかなり高くなっています。ですがデジタルスキルは社会に出る上で必須のものですから、東大生には一番の技術を身に着けてもらいたいと思っています。今考えているのは、Microsoft Copilot(OpenAI社の生成 AI と連動した Office のアプリケーション)を学生に提供することですが、料金がかなり高額です。全員に一斉に提供することは難しくても、試行的に使えないかと考えているところです(注:2024年3月13日現在、東大は全学生・全教員を対象にMicrosoft Copilotの提供を行っている)。

 

━━昨年にはChatbot UI の提供を開始しました

 

Chatbot UIは私と事務組織担当理事の裁量経費も用いて提供しました。さらにサービスを拡充していきたいと思います。コードインタープリター(プログラミングコードの生成や実行を行う機能)などの製品版のGPT–4と同じ機能までは提供できていないですが、まだ予算が足りない状況で、何とか実現したいと思っています。

 

━━太田教授は昨年生成AIの利用について声明で「誤謬(ごびゅう)の可能性」「法的リスク」など、生成AIのリスクについて触れています。それから生成 AI 利用の在り方の見解に変化はありますか

 

生成AIの精度が上がり、ハルシネーションの心配も減っています。有料版やコーポレート版を使うことで情報法に関する遺漏(いろう)もなくなってきていて、かなり弱点を潰してきているなと感じています。ですがまだ基本的な概念として声明に書いたような考え方は持っておいた方が良いと思うので、昨年の時点であのような声明を出したことは良かったと思っています。

 

━━実際に授業で生成 AI を活用した例は

 

教養教育高度化機構(KOMEX)では、アクティブラーニングの授業でChatGPTに学生の一人として授業を受けさせるといった活用を昨年の春から行っています。新領域創成科学研究科ではプログラミングのバグの発見などで生成AIを活用しています。私の知る限りでは、これまで生成AIを用いて大きな問題は起こっていません。

 

━━大学生は生成AIをどう活用して学習すべきですか

 

生成AIを上手く使って学習すると、学習が苦手な層の成績が底上げされるという研究結果が出ています。苦手な内容だと手が止まることがありますが、生成AIがあると気軽に相談できるようになります。つまずいた時の相談役として活用すると、今まで勉強が上手くいかなかった人が底上げされる可能性はあると思います。

 

━━大学進学を目指す高校生や大学生は、どのような点に留意して情報関連の学習をすべきですか

 

今、高校を訪問したりもしているのですが、高校によってはプログラミング言語のPythonを使ってプログラミングを使って学習していることもあります。教員が確保できた学校はかなりやっています。Pythonなどを用いた基本的なプログラミングには全員ある程度触れておいた方が良いのではないでしょうか。ChatGPTのコードインタープリタでは、Pythonのコードを用いています。それが正しいか判定するときなど、自分でコードが読めないと上手く使いこなせない可能性があります。自分で大量のコードを書く作業はGitHub(ソースコード管理サービス)などを用いることが多く、今までのように全てを手書きすることは減っていますが、出来上がったプログラムのコードを見てコードの良しあしを判断したり、改善点を見つけられるだけでもレベルの高い使い方ができるのではないでしょうか。そうしたことを理解できる基本的なリテラシーを学んでいただきたいです。

 

基本的な統計の知識も重要です。なぜこの手法で解析できるのか、有意差とは何かなど、自分の頭に入っていないとどうしようもありません。駒場で開講されている「基礎統計」の授業で扱う内容や、多くのデータを扱う際に必要な多変量解析や主成分分析の原理などを知っておくとよいのではないでしょうか。高校生には幅広く様々な分野を勉強してほしいですが、情報関係については自分で手を動かして勉強してほしいです。この先量子コンピューティングなど、新しい分野も出てくると思うので、そうした新しい領域にも意識を向けてほしいです。

 

大学入学後は、情報分野だけを学ぶのではなく、情報分野以外にも専門性を磨き、情報分野と何かを掛け合わせていくと良いと思います。

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